指示詞における中国人日本語学習者の誤用傾向——非現場指示を対象に
要旨:指示詞は物事や人を指示する効能を持っている言葉、つまり「こそあど」系の言葉である。それに「これ・それ・あれ・どれ」「この・その・あの・どの」「ここ・そこ・あそこ・どこ」「こんなに・そんなに・あんなに・どんなに」「こちら・そちら・あちら・どちら」などが含んでいる。日本語の指示詞は話し言葉の中でも書き言葉の中でも、使用頻度が非常に高い言葉である。でも日本語の勉強者の指示詞についての把握程度はどうか。本文指示詞における中国人日本語勉強者の誤用について、その誤用傾向と誤用原因を探究してみたいと思う。
キーワード:日语指示词、非现场指示、误用、誤用傾向、誤用原因
一、文献综述
日本語の指示詞「こ」「そ」「あ」は基本な文法として、日本語学習者が初級段階で学習する。これらの指示詞は空間的な用法と文脈的な用法がある。空間的な用法は、話し手に近いものを示す時が「こ」で、聞き手に近いものを示す時が「そ」で、両方とも遠いものを示す時が「あ」で表すということだ。しかし、文脈的な用法はより難しい。基本的な文法ではありますが、日本語学習者は指示詞をよく間違っており、指示詞「こ・そ・あ」の誤用例は中国人学習者に多く見られる。
邱丽君の『中日指示词中的不对应现象』によると、今までの指示詞に関する研究は、「こ・そ・あ」の使い分け名称はまだ統一いていない。普通は直接に現場の物事を指示する用法と話題の中の人や事を指示する用法二種類に分けている。本文は現場指示と非現場指示でこの二つの用法を示す。
『现代日语语法』で指示詞の定義により、現場指示は対立型と融合型二つに分け、非現場指示は対話型と文章型に分けている。
何(2010)では、指示詞の使い分けについて初級段階の一年生38人を対象にアンケート調査を行った。その結果として、①非現場指示に関する誤用は目立っている(その原因は対話型の「こ」と「あ」が間違いやすい)②現場指示の融合型の誤用も多い(物事と話し手と聞き手の位置関係は明確していない)、の二点が挙げられている。その誤用の原因について、何(2010)は母語の干渉・教科書の漏れ・教師と学生の疎かの三つだと述べた。
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