コーパスに基づく「~がたい/~にくい/~かねる/~づらい」に関する使い分け分析-中国語との対照を兼ねて文献综述

 2022-09-08 11:45:29

コーパスに基づく「~がたい/~にくい/~かねる/~づらい」に関する使い分け分析-中国語との対照を兼ねて

摘要:「がたい」、「にくい」、「かねる」、「づらい」の使い分けは何なのかという問題について、中日学習者はモダリティ、本質、接続などの角度から分析した。しかし、中国語との対照を兼ねて、この四者を分析する文献は比較的少ない。筆者が調べたところただ張瑩(2012)「にくい、づらい及其汉译的比较」と楊文(2010)「现代日语中的困难表述及汉语对译」と劉倩卿(2010)「中国人日本語学習者による母語転移現象--「可能表現」の習得を中心に」の3篇だけである。

关键词:がたい、にくい、づらい、かねる、中日対照、漢訳

  1. 文献综述

  まず、「がたい」、「にくい」、「かねる」、「づらい」を区別するために、この四者はどんな表現であるかを確認しなければならないと思う。

 工藤(2000)では否定表現を二種類に分け、すなわち「ない」、「ぬ」、「まい」、「な」などの否定要素のついた表現を文法的否定形式、「不」、「無」、「非」など否定の接辞のついた表現及び「だめ」、「反対」、「やめる」など否定的な意味の語をを語彙的否定形式と呼び分けている。語彙的否定形式は6種類ある。「~しかねる」、「~しがたい」、「~しにくい」、「~しづらい」はその一つで、困難系と呼ばれている。工藤はただこの四つの言葉はどんな表現であるかを定義しただけで、どう区別すべきかという問題はまだ言及していない。

 田中(2010)では「かねる」はある事態が前提となっている以上、結果からさかのぼって言及することができないと述べた。田中(2010)は「かねる」の本来の意味を辿って、結論としての不可能な事態とする判断が下される条件を分析した。例えば、「承服しかねる」という例において、目前に顕在する個別認識が頭にある普遍認識と重なる(兼ねる)時、結論としての不可能な事態とする判断が下される。

 劉倩卿(2010)では「かねる」、「にくい」、「がたい」を有標の可能表現と述べた。更に詳しく言えば、「かねる」を「願望可能」と称した上、事柄の実現に対して話し手が強い拒否態度を表すものであり、話し手の願望によって、動作が実現できないという意味を表すのに対し、「にくい」は外部の原因や対象の性質で、動作の実現が困難であることを表すが、「がたい」は動作主が実現させようとしても、その実現が極めて困難だという意味を表すとしている。それに、「にくい」と「がたい」は認識可能であり、「にくい」は外的な条件で決めるが、「がたい」は内的な表現で決める。また、劉倩卿(2010)は中日意味による異同も分析した。「願望能力」を表す場合、中国語では、一般に可能助動詞「会」で、「話し手の決心、意志、願望、承諾によって、事柄が実現する可能性がある」という意味を表す。それに対して、日本語では、「~かねる」は願望能力」を表すが、動作の難易に対する判断に基づいて、事柄の実現する可能性をも述べる。「~がたい」、「~にくい」など、事柄の難易によって、実現する可能性を判断するという意味を表す表現は中国語で、普通の可能助動詞や可能補語で表されにくく、一般的に「很难hellip;hellip;」に訳されている。

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